YOASOBI夜に駆けるの原作小説とは?歌詞や右上の数字を考察!

YOASOBI夜に駆けるの原作小説とは?歌詞や右上の数字を考察!
Pocket

原作小説で描かれている物語を歌詞と曲、映像でより物語や曲の世界を具体的に表現し発信している2人組音楽ユニット・「YOASOBI」。

今までも数々のバンドやグループが、アニメ化や映画化の主題歌で原作作品の世界感を表現してきていますが、YOASOBIはそれ以上をやってのけてしまったのではないでしょうか?

彼らのデビュー作『夜に駆ける』は、その位ネット界隈に衝撃を与えました。

原作小説の世界感が詰まった歌詞とキャッチーな曲調、そしてどこか物憂げなミュージックビデオは、1度見聞きしたら頭から離れられません。

原作小説さながら、歌詞やミュージックビデオには謎が秘められています。

曲名の『夜に駆ける』とは何なのか?

「僕」と「君」のラストはどうなってしまうのか?

ミュージックビデオの右上の数字は何なのか?

その謎を考えるのも楽しみの1つになっています。

今回はYOASOBI『夜に駆ける』の原作小説の紹介をはじめ、歌詞の考察とミュージックビデオにある右上の数字の謎をみていきます!

 

YOASOBI「夜に駆ける」の原作小説とは?

YOASOBIは、ボーカロイドプロデューサー・Ayaseとシンガーソングライター・ikura(幾田りあ)の2人組みの音楽ユニットで、ソニー・ミュージックが運営するサイト「monogatary.com」に投稿された小説をコンセプトにしています。

デビュー作『夜に駆ける』の原作は、星野舞夜さんが書いた『タナトスの誘惑』という恋愛小説です。

物語は2~3分あれば読めてしまうほどの短いお話。

主人公・「僕」の目線で語られていて、「君」に恋をする「僕」の様子は幻想的なようで現実にも近いような不思議な感覚になり、最後の畳みかけるようなセリフと心情は圧巻です。

その『タナトスの誘惑』の最後の一文「夜空に向かって駆け出した」からタイトルがつけられたのだと思います。

「タナトス」とは「死に対する欲動」、死に支配されていること。

「僕」が一目惚れをした「君」は、死に支配されている人間で、「僕」はそんな「君」を毎回止めますが、ある日変化が起きます。

まさにそれは「死の誘惑」のようでした。

 

あらすじ

主人公・「僕」は、「君」からの連絡を受け自宅マンションの屋上に駆けて行きます。

実はこれが初めてではなく、4回目の呼び出しです。

「僕」は「君」に恋心を抱いていてその度に止めますが、「君」はまるで死というものに恋をしているようで「僕」の言葉は届きません。

「君」と一緒にいたい「僕」と、消えたい「君」。

伝えても伝わらない思いに「僕」の焦りは膨らむばかりです。

はたして、「僕」は「君」を救い出す事が出来るのでしょうか?

 

歌詞や右上の数字を考察!

小説の世界観を見事なまでに表現したのは、歌詞だけではありません。

ミュージックビデオにも細かい細工が施され、曲の魅力をあげているんですよ♪

その1つに映像右上に書かれている謎の数字があります。

ミュージックビデオが進む度に右上の数字も進んでいく・・・なんとも不思議ですよね。

実はこれ、「ページ数」を表しているのです。

目線を少しずらして左上の方を見ると、こちらは「第一章」と書かれています。

原作小説をコンセプトにしているからこそ作品数を「章」と数え、ミュージックビデオが進むという事はお話も進むと言う事なので、右上にはページ数を表記したのだと考えられます。

とても面白い発想ですね♪

お次は、「夜を駆ける」の歌詞が原作小説『タナトスの誘惑』ではどの部分にあたるのか見ていきたいと思います!

 

部屋の中で「僕」と「君」がいるシーン

いつだってチックタックと

鳴る世界で何度だってさ

触れる心無い言葉うるさい声に

涙が零れそうでも

ありきたりな喜びきっと二人なら見つけられる

出典 KKbox 夜を駆ける

リズムよく刻むこの部分は小説では、以下のようところにあたると思います。

ブラック会社に勤めながら独りきりで寂しく暮らしていた僕にとって、彼女はまるで天から舞い降りた天使のようだった。

出典 『タナトスの誘惑』

歌詞には「ブラック会社」というワードは出てきませんが、「心無い言葉うるさい声に涙が零れそう」という言葉から連想する事が出来ます。

「僕」の心が今にも潰されそうなのが痛いほど伝わってきますね。

そして、「天使」というワードも歌詞には出てきません。

おそらく「ありきたりな喜びきっと二人なら見つけられる」の部分だと思います。

特に私は「ありきたりな喜び」という箇所に「希望」のようなものを感じ、心が潰されそうな「僕」にとって「君」は人生に希望をくれる存在であり、また、「僕」も「君」の希望になりたいという風にこの歌詞を捉えました。

 

ベッドで「僕」と「君」が横たわっているシーン

君にしか見えない

何かを見つめる君が嫌いだ

見惚れているかのような恋するような

そんな顔が嫌いだ

出典 KKbox 夜を駆ける

意中の相手が振り向いてくれない事から膨らむ「僕」の焦燥感と、「死」に対する嫉妬心が見える場面です。

ミュージックビデオでも「嫌いだ」と主人公がつぶやく場面があり、「どうして?」という気持ちがより伝わってきます。

原作小説ではこのような表現で描かれています。

彼女は死神を見つめている時(僕には虚空を見つめているようにしか見えないが)、まるで恋をしている女の子のような表情をした。まるでそれに惚れているような。僕は彼女のその表情が嫌いだった。

出典 『タナトスの誘惑』

ここで注目して欲しいのが原作小説では「死神」と書かれているのに、歌詞には書かれていないところです。

「死神」は死にたいと思っている人にしか見えない事から、歌詞では「死神」を直接的に書かずに「君にしか見えない何か」と表現したのかもしれませんね。

 

「君」が「僕」の手を払いのけるシーン

がむしゃらに差し伸べた僕の手を振り払う君

出典 KKbox 夜を駆ける

原作小説では「僕」が「死神なんて見てないで、僕のことを見て」と言うと「君」が「嫌・・・!」という会話の部分だと思います。

「僕」のセリフを「がむしゃらに」とする事で「僕」の必死さを、また「嫌・・・!」を「手を振り払う」とする事で「君」の拒絶が映像として目に浮かびますね。

たった一文ですが、両者の気持ちがヒシヒシと伝わる文だと思います。

 

再び、部屋の中で「僕」と「君」がいるシーン

ほらまたチックタックと

鳴る世界で何度だってさ

君の為に用意した言葉どれも届かない

出典 KKbox 夜を駆ける

映像も再び部屋の中のシーンですが、「僕」の目に変化が現れています。

原作小説ではこの一文だと思います。

なんで、こんなにも僕は君のことを愛しているのに、君は僕だけを見てはくれないのだろう。

出典 『タナトスの誘惑』

小説には書かれていませんが、ミュージックビデオや歌詞の「チックタックとなる世界」から、無機質に繰り返される日々や何度も「君」に伝えた言葉が届いていない様子が感じ取れます。

また、時計の音を擬音にする事で、だんだんと「僕」の焦燥感が積み重なっている様子も分かります。

 

「君」が「僕」の手を引いているシーン

変わらない日々に泣いていた僕を

君は優しく終わりへと誘う

出典 KKbox 夜を駆ける

原作小説では、「君」が「じゃあ、行きましょうか」という言葉に、「僕」が「ああ、行こうか」の部分にあたるのではないかと思いました。

「行きましょうか」は「僕」を誘う行動になるので、歌詞に表す時に「誘う」としたのだと思います。

「終わり=死」を意味しますが、「終わり=解放」とも私は感じるのは私だけでしょうか?

「僕」は「触れる心無い言葉うるさい声に 涙が零れそう(=ブラック会社に勤めている)」な日々を送っています。

きっと、そんな生活から抜け出す為に、1番「死を望んでいた(=抜け出したいと思っていた)」のは「僕」だったはずです。

ミュージックビデオに映る2人も、どことなく微笑んでいるようにも見える事から、「終わり=解放」と思いました。

原作小説では「僕にとっての「死神さん」は、彼女だった。」と書かれています。

歌詞ではそのような事は書かれていませんが、それにあたるのが「君は初めて笑った」「差し伸べてくれた君の手を取る」だと思います。

今まで笑わなかった「君」が笑うのなぜ?

なぜ最後に積極的に手を差し伸べるの?

それは「僕」を死へと導くのが死神の思惑だったのではないかと思ったからです。

またミュージックビデオでも死神の描写はありませんが、最後の2人が落ちた後に目をつぶっている(おそらく死んだ)「僕」に「君」がキスをしています。

一緒に落ちたはずなのになぜ?・・・と考えると答えはでますよね。

以上の事から、「死神」を表現している部分なのではないかと考えました。

 

まとめ

YOASOBI『夜に駆ける』の原作小説の紹介をはじめ、歌詞の考察とミュージックビデオにある右上の数字の謎をみていきました。

『夜に駆ける』は原作小説『タナトスの誘惑』が元になっています。

「死」を直接的に書かずにほのめかしている歌詞は、物語の世界観を忠実に表現されていて、キャッチーな曲は聞いた者の頭から離れられません。

その工夫はミュージックビデオにも表れていて、謎となっていた映像右上の数字はページ数を表していました。

ちなみに左上には、「1章」と書かれています。

小説を元に音楽を作っている彼らにとって、曲は物語と一緒だからです。

原作小説を読み、それからミュージックビデオを見るとまた違った新たな見解があるかもしれません。

ぜひ、あなたなりの『夜に駆ける』を楽しんでみて下さいね♪

続々と曲を発表しているYOASOBI。

今後発表される曲が楽しみです♪